皆さん、こんにちわ。
レイトンです。
今回は、10年以上連続で増配している安定的な成長を続ける企業で構成された米国増配株式ETF「VIG」について、詳しく解説していきます。
VIGは、歴史的な暴落局面においても、S&P500指数連動の「VOO」やナスダック100指数連動の「QQQ」と比較して、相対的に下落幅が小さいという特徴があります。
2020年の新型コロナウイルスショックや2008年のリーマン・ショック時にもその安定性を示しました。
2024年3月の分配金は、前年同期比で2.7%増加し、一昨年比では10.8%増加と、安定した増配傾向が続いています。
昨年1年間の分配金を一昨年と比較すると、2.9716から3.2081に約7.95%増額しており、2016年から7年連続で右肩上がりにVIGの分配金は着実に増加しています。
この記事を読むことで次のことが分かります。
・VIGとはどんなETFなのか
・VIGの魅力について
・なぜVIGは長期投資に向いているのか
S&P500は右肩上がりに上昇し続けているので、S&P500に連動しているETFのVOOを購入すれば間違いないかと思いますが、今回はVOOではなく、同じバンガード社のVIGを取り上げています。
VIGは10年以上連続増配を続けている企業の株で構成されています。
米国株が長期投資に向いていることについては、別の記事に書いているので、そちらも併せて読んでいただけると嬉しいです。
VIGの概要
VIGはバンガード米国増配株式ETF(Vanguard Dividend Appreciation ETF)の略称です。
連動指数がS&P US Dividend Growers Index(S&P 米国配当成長株指数)に2021年9月20日から変更しています。
VIGの概要は下記のとおりです。
- 設定年は2006年4月27日
- 10年以上連続増配実績の米国の普通株(REITを除く)で構成をされている
- 修正時価総額加重平均方式(保有銘柄の時価総額を最大4%に制限することで、大型株の影響が大きくなりすぎない)
- 純資産額は約850億ドル(2024年9月13日時点)
- 経費率は0.06%(参考までに同じバンガードのVOOの経費率は0.03%、VYMは0.06%です)
米国の優良ETFは経費率が安いのが魅力的ですね。
- 直近の分配金(配当金)利回りは1.84%(2024年9月時点)
年間の分配金(配当金)総額も毎年増加しています。
(参考までに2024年9月時点の同じバンガードのVOOの配当利回りは1.38%、VYMは3.38%です。)
- リバランス(銘柄入れ替え)は年1回(3月)
バンガードは、ブラックロックやステートストリートと並んで世界3大資産運用会社の1つです。
その中でも世界最大の資産運用会社がバンガードと言われています。
そんな世界最大の資産運用会社が運用しているETFであるなら、安心して長期投資することができますね。
ちなみにVOO、VTI、VT、VYMもバンガードが運用をしています。
組み入れ銘柄について
VIGの組み入れ銘柄数は340銘柄です。(2024年3月31日時点)
参考までに
2021年7月31日時点で247銘柄、
2022年11月30日時点で289銘柄
ですので、2年8か月で93銘柄増えていますね。
「2年前と比較すると、VIGの構成銘柄トップ15に大きな変化が見られます。
最も顕著な変化は、マイクロソフト(MSFT)がトップに躍り出たことです。 1年半前には3位でしたが、2024年3月時点では4.02%と、VIGの構成銘柄の中で最も大きなウェイトを占めるようになりました。
また、アップル(AAPL)やマスターカード(MA)といった連続増配銘柄が、2021年7月以降新たにVIGの仲間入りを果たし、トップ10にランクインしたことも注目すべき点ですね。
VIGの構成銘柄は、情報技術やヘルスケア、金融セクターの銘柄が中心ですが、意外なことに、エネルギーセクターのエクソン・モービルがトップ5にランクインしているのも特徴的です。これは、昨今のエネルギー価格の高騰や、脱炭素への取り組みの中で、エネルギーセクターへの投資家の注目が集まっていることを反映していると考えられます。」
銘柄名 | 銘柄コード (ティッカーシンボル) | 割合 | |
1 | マイクロソフト | MSFT | 4.02% |
2 | アップル | AAPL | 3.68% |
3 | ブロードコム | AVGO | 3.35% |
4 | JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | JPM | 3.34% |
5 | エクソン・モービル | XOM | 2.68% |
6 | ユナイテッドヘルスグループ | US | 2.64% |
7 | ビザ | V | 2.43% |
8 | マスターカード | MA | 2.30% |
9 | ホームデポ | HD | 2.03% |
10 | プロクター・アンド・ギャンブル | PG | 2.20% |
11 | ジョンソン・エンド・ジョンソン | JNJ | 2.19% |
12 | メルク・アンド | MRK | 1.93% |
13 | コストコ・ホールセール | COST | 1.87% |
14 | アッヴィ | ABBV | 1.85% |
15 | バンク・オブ・アメリカ | BAC | 1.50% |
銘柄名 | 銘柄コード (ティッカーシンボル) | 割合 | |
1 | ユナイテッドヘルスグループ | US | 4.06% |
2 | ジョンソン・エンド・ジョンソン | JNJ | 3.71% |
3 | マイクロソフト | MSFT | 3.48% |
4 | JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | JPM | 3.21% |
5 | プロクター・アンド・ギャンブル | PG | 2.85% |
6 | ビザ | V | 2.73% |
7 | ホームデポ | HD | 2.67% |
8 | マスターカード | MA | 2.42% |
9 | ペプシコ | PEP | 2.03% |
10 | コカ・コーラ | KO | 1.96% |
11 | コストコホールセール | COST | 1.89% |
12 | ブロードコム | AVGO | 1.76% |
13 | ウォルマート | WMT | 1.73% |
14 | シスコシステムズ | CSCO | 1.63% |
15 | マクドナルド | MCD | 1.59% |
銘柄名 | 銘柄コード (ティッカーシンボル) | 割合 | |
1 | マイクロソフト | MSFT | 4.27% |
2 | ジョンソン・エンド・ジョンソン | JNJ | 3.72% |
3 | JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | JPM | 3.59% |
4 | ウォルマート | WMT | 3.31% |
5 | ビザ | V | 3.29% |
6 | ユナイテッドヘルスグループ | UNH | 3.21% |
7 | ホームデポ | HD | 2.90% |
8 | プロクター・アンド・ギャンブル | PG | 2.88% |
9 | コムキャストクラス | CMCSA | 2.21% |
10 | オラクル | ORCL | 2.11% |
11 | コカ・コーラ | KO | 2.02% |
12 | ペプシコ | PEP | 1.78% |
13 | アボット・ラボラトリーズ | ABT | 1.76% |
14 | ナイキ | NKE | 1.75% |
15 | アクセンチュア | ACN | 1.72% |
セクター比率について
VIGのセクター比率は下記のとおりです。(2024年3月31日時点)
セクター比率では、情報技術 (InformationTechnology)が22.10%と最も高い割合を占め、金融(Financials)、ヘルスケア(Health Care)が続きます。
興味深いのは、1年半前には、ヘルスケアが金融よりも高い割合を占めていた点です。
しかし、現在は金融セクターの割合が上昇し、入れ替わっています。
情報技術セクターは、2年半前と比較してその割合を増やし、一方で資本財セクターの割合は減少しています。
エネルギー(Energy)セクターは、約1年半前から新たにVIGの構成に加わりました。
一方、不動産(Real Estate)は、VIGの構成には含まれていません。
セクター | 割合 | |
1 | 情報技術 (Information Technology) | 22.10% |
2 | 金融 (Financials) | 20.20% |
3 | ヘルスケア(Health Care) | 16.30% |
4 | 資本財 (Industrials) | 12.60% |
5 | 生活必需品 (Consumer Staples) | 11.40% |
6 | 一般消費材 (Consumer Discretionary) | 6.70% |
7 | 素材 (Materials) | 4.40% |
8 | エネルギー(Energy) | 3.20% |
9 | 公益事業 (Utilities) | 2.10% |
10 | コミュニケーション (Communication Services) | 1.00% |
セクター | 割合 | |
1 | 資本財 (Industrials) | 21.90% |
2 | 一般消費材 (Consumer Discretionary) | 16.80% |
3 | ヘルスケア(Health Care) | 15.10% |
4 | 金融 (Financials) | 13.70% |
5 | 情報技術 (Information Technology) | 13.60% |
6 | 生活必需品 (Consumer Staples) | 10.00% |
7 | 公益事業 (Utilities) | 3.70% |
8 | 素材 (Materials) | 3.00% |
9 | コミュニケーション (Communication Services) | 2.20% |
VIGの分配金について
直近の分配金(配当金)利回りは1.84%(2024年9月時点)です。
2024年3月の分配金は、前年同期比で0.74890ドルから0.76920ドルに2.7%増加しました。
一昨年と比較すると10.8%もの増加となり、大幅な増額となっています。
昨年1年間の分配金は、一昨年と比較して約7.95%増額しており、VIGの分配金は着実に増加傾向にあることがわかります。
グラフで見ても分配金が右肩上がりの推移を示しており、今後もさらなる成長が期待できます。
VIGの強さについて
VIGは設定年の2006年4月27日の始値49.37から2021年9月3日の終値162.87まで、綺麗な右肩上がりの上昇を続けています。
2021年は何度も新高値を更新し続けていますね。
直近の3年のトータルリターンは16.33%、5年のトータルリターンは15.99%となっており、S&P500に連動したVOOの直近の3年のトータルリターンは18.08%、5年のトータルリターンは17.95%には劣りますが、素晴らしいリターンだと思います。
2020年の新型コロナウイルスの暴落では、VIGは2月の高値130.91から3月の安値87.71まで32.99%下落しているのに対して、VOOは2月の高値311.59から3月の安値200.55まで35.63%下落しています。
2008年のリーマンショックの暴落では、VIGが42.66%の下落に対して、S&P500(SPX)は52.20%下落しています。
10年連続増配銘柄で構成されれているため、構成銘柄も資金に余力のある企業で構成されており、リーマンショックの金融危機時や新型コロナウイルスの暴落でも市場平均よりも下落幅が少なくなっています。
良いところばかり書きましたが、連続増配に着目しているものの、分配金(配当金)利回りは、高配当ETFのSPYDやVYMとよりも低く、トータルリターンにもついてもVOOやマグニフィセント・セブン等のハイテク銘柄中心で構成されているNASDAQ100に連動したQQQよりも低いです。
VIGとS&P500に連動したVOOやNASADAQ100指数の値動きに連動するQQQとトータルリターンを比較するとどうなるのでしょうか。
2014年1月~2024年4月までの10年間の分配金(配当金)を含めたVIG、VOO、QQQのトータルリターンの比較です。
QQQのトータルリターンが素晴らしくVOO、VIGの順番となります。
VIGはこの3つのETFの中では1番トータルリターンが低いですが、ボラティリティは3つのETFの中で一番低いです。
この結果を見てもやはり安定感のあるETFであることは間違いないですね。
VIGは、インカムゲインもキャピタルゲインも両方得ることはできており、ボラティリティも安定していますが、分配金(配当金)利回りやリターンが突出していないことは理解しておいた方が良いかと思います。
ちなみにQQQについては別の記事に書いていますので、こちらの記事も良かったら読んでみてください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
VIGは私のポートフォリオの主力銘柄の1つです。
・VIGは10年以上連続増配を続けている企業の銘柄で構成されているETFです。
・直近5年間のトータルリターンではVOOに負けてしまいますが、リーマンショックや新型コロナウイルスの暴落局面では底堅い動きをしており、VOOよりも下落率は少ないです。
・株価上昇と分配金の両方を兼ね備えたトータルリターンがすばらしいETFである。
この1年で新たにマスターカードがVIGの構成銘柄に組み入れられたので、アップルもVIGに今後組み入れられていくかもしれません。
厳しい世の中でも、安定して稼ぎ続けて株主に還元し続けている企業であり、10年以上も増配し続けられるのは信頼と実績の証です。
稼ぎ続けている企業でなければ、増配し続けることはできません。
そんな連続増配銘柄で構成されているVIGにこれからも投資し続けていきたいと思います。
追加
VIGの連動指数が2021年9月20日で変更になっています。
【変更前】NASDAQ US Dividend Achievers Select Index(ナスダック米国ディビデンド・アチーバーズ・セレクト指数)
【変更後】S&P US Dividend Growers Index(S&P 米国配当成長株指数)
S&P US Dividend Growers Index(S&P 米国配当成長株指数)は、指定された年数に渡って毎年一貫して配当を増やすという方針に従った企業の業績を測定し、高利回りの上位25%の企業はインデックスから除外される。
高利回りの上位25%を除外することで、連続増配銘柄かつ業績も伸びている銘柄を組み入れて運用を行っていくのでしょうか。
今後のVIGの運用成績の推移がとても楽しみですね。